メタボリックシンドロームを予防するためには、毎日の食事と運動の習慣が大切です。厚生労働省は健康を保つために必要な食事のメニュー及び運動指針を示しています。
このごろしきりにメタボリックシンドロームという名前と対策が叫ばれていますが、これはどういう意味でしょうか。
このメタボリックシンドロームには、まず当てはまる肥満の型があって、内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)の人がそれにあたるのです。このタイプの肥満に、高血糖・高血圧・高脂血症のうち、二つ以上を合併した状態をいうのです。
日本では、これまで海外で定められたメタボリックシンドロームの診断基準を元に、診断、対策がなされていました。ところが、かねてより待望されていた日本独自の「メタボリックシンドロームの定義と診断基準」が、2005年4月に開催された日本内科学会総会において発表されました。
それが今の日本の診断基準となり、その対策の元になっているのです。具体的な診断として、まず内臓脂肪の蓄積の度合いををウエスト径で判定します。男性の場合は85cm以上、女性の場合は90cm以上がその基準値です。この内臓脂肪を腹部CT画像で精密に測定したとしましょう。そうした場合、このウエスト径の数字は断面積100平方センチに相当することになります。
これによりメタボリックシンドロームと判断されて、対策の必要性が出てくるわけです。こうして世界中で注目、問題視されているメタボリックシンドロームについて、その対策をするための様々な研究が続けられているのです。
三食の食事内容のバランスを取ると、メタボリックシンドローム予防に一役買うことができます。
ビタミンC、カルシウム、カロテンといった栄養素に、三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質を加えた6種類が厚生労働省が定めた基礎食品群です。これらを意識して食事するとバランスが取れます。自然とカロリーも調整されてメタボリックシンドロームの予防になります。
一番望ましい状態は毎日30品目を目安に献立を作ることです。しかし、日に30品目はなかなかできるものではありません。日々の食事を考える時に、主食に主菜と副菜を加える形で作ると色々な食材を使うようになり、メタボリックシンドローム対策になります。メタボリックシンドロームにならないためには、小さな心がけが大事です。
ラーメンや丼ものなどの一品料理をできるだけ控えめにして野菜中心の食生活を心がけ、できれば果物を一日に一回は食べる習慣をつけましょう。メタボリックシンドローム予防の食事改善の基本は、和風の定食ものです。低カロリーで、植物性食品と動物性食品のバランスが取れた食事が望ましく、和食はその条件を満たしています。栄養バランスの取れた和食は、メタボリックシンドロームを防ぐとても理にかなった献立といえます。
大豆製品は低カロリーで良質なタンパク質を多く含んでいるので、タンパク源は肉より魚や大豆類を摂りましょう。味付けは薄味がよいので、塩分は控えましょう。そして、栄養素が偏らないように野菜の少ない丼ものなどは気をつけて。
厚生労働省によって策定された運動指針は、健康を保つために必要な運動量のはかり方や指針を示しており、メタボリックシンドロームの予防が目的とされます。
ここでは生活活動の内容をメタボリックシンドローム予防の運動になると位置づけており、スポーツやジョギングでなくとも通勤通学の歩行なども運動に含んでいます。生活活動もメタボリックシンドロームの予防に有効なものとしています。
メタボリックシンドロームにならずに済むように行う運動をする場合、無理のない量を毎日欠かさずに続けなければなりません。毎日が忙しい人の中には、メタボリックシンドロームを防ぎたい意欲はあるけれどなかなか運動の時間がないことがあります。無理なく運動量を増やすためには、生活の中で活動する部分を広げるところから始めましょう。
普段の生活で簡単にできる生活活動としては立位、オフィスワーク、洗濯、炊事などです。意識的にする生活活動には歩行、床や庭の掃除、子供と遊ぶこと、介護などが含まれます。
厚生労働省の健康づくりのための運動指針では、運動の強さをメッツという単位で計ります。運動の強さを現すメッツに運動時間を掛け合わせて運動量を算出しますが、この時の数字にはエクササイズという単位がつきます。例えば、生活活動の中では梱包や家財道具の片づけの運動の強さを3メッツとしています。この動作を2時間続けると6エクササイズになります。3メッツ以上の運動を、1週間に23エクササイズ以上行うことが、メタボリックシンドローム予防にいいとされています。